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■開催レポート
・野口先生からは、「読みに困難を抱える」とはどんな状態を表しているの
か、子供たちの実際の見え方、そんな子供たちにどんな手立てをしていくと
効果的に≪読む≫ということが可能になるかなど、わかりやすい講演をいた
だきました。社会全体が、そんな人たちへの手立てを用意していくことが当
たり前になることを願い、日々活動されておられる野口先生。講演中に先生
の醸し出すやさしい雰囲気が学校現場で、読むことのハンディ負っている子
どもたちへの温かい眼差を感じさせ、参加者もそんな気持ちにさせられる笑
顔の生まれる講演でした。
続いて、牧野氏からは、読みに困難を抱えるお子さんの親としての貴重な
体験を伺うことができました。小学校入学当初は、まだ普通教室でのDAISY
教科書の利用はおろか、そんな子どもたちへの認識もないなかでの、大変な
思い。悩みながらも、お子さんを特別支援学級へ転籍させたこと。結果とし
ては、この決断は間違っていなかったのですが。そして、まだ、ほとんど作
成されていなかったDAISY教科書を自ら作成していくまでの軌跡。現在の日
本の公立教育の中では、このような活動をしていくのにはエネルギーがいり
ます。牧野氏は、お子さんともども歩んでこられた道を明るく語られました。
しかし、その笑顔の下には、たくさんのつらい思いも乗り越えられての今が
あると感じられます。そして調布デイジーを立ち上げたところに、バイタリ
ティーに富んだ牧野さんの一面がうかがえました。また、この活動には勤務
先の調布市立図書館のハンディキャップサービス部門のバックアップがあっ
たことも語られました。
調布市立図書館のハンデキャップサービス(HS)では、図書館利用に困難を
抱える方に広く図書館サービスを展開しています。そんな活動の一環で布の
絵本もたくさん所蔵しており、牧野氏のお子さんはこの布の絵本を楽しむこ
となども語られました。
午後の実習が始まりました。今回の実習で使用するパソコンは参加者の持
ち込み、不足分はCode4Lib JAPANの協力を得て、各自1台を割り当て、実習が
できる環境を整えました。使用するパソコンにはあらかじめ、(財)日本障
害者リハビリテーション協会のアミ(AMIS:AdaptiveMultimedia Information
System)をインストールしてあります。アミとは製作された録音図書を再生
するためのソフトウェアです。見出しと音声の図書もマルチメディア録音図書
も再生することができます。また、プラグインを使用することによって、障害
または好みによって違ったアウトプットとインプットのオプションを使うこと
ができます。例えば、キーボードの代わりにジョイスティックを使用したり、
別のウィンドウで大活字で表示したり、ボタン1つでメニューを選べるように
したりということが可能です。【引用:(財)日本障害者リハビリテーション協
会の説明文】このアミを使い、牧野さんが用意したCDからDAISYの実際を体験
していきます。実際に作業を進めていくと、すぐできるはずのダウンロードが
うまくできなかったり、次のステップについていけない方が出たりと、ハプニ
ングもありましたが、若い参加者が年上の参加者に教えてあげる、という微笑
ましい場面もみられました。
今回はCode4LibJAPANのスタッフにもサポートに入ってもらい、大変お世話に
なりました。
この講演会の当日は台風12号の通過で講演会の開催も危ぶまれたのですが、
講師、参加者、スタッフの熱い思いに上陸後の台風の威力が弱まり、無事に
開催の運びとなり、ほっとしたスタッフもいたことをここに記して報告を終
わります。(文責:関雅美)
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