みなさまこんにちは。横山@調布です。
5月14日と21日の土曜に参加した2つの催しの報告と感想を、
学校図書館職員の立場から書きます。
長文です。すみません。2つに分けて投稿します。
まずは1週間前の学会の参加報告です。
2011年度日本図書館情報学会春季研究集会
日時 5月14日(土)10:00?17:45
場所 東京学芸大学小金井キャンパス
26件の発表のうち、9件を拝聴しました。特に学校図書館に関係した5件の発表を興味深く聞きました。“「図書館を使った調べる学習コンクール」入賞作品の分析”や“千葉県袖ヶ浦市の事例分析”“高校教員の読書指導の実態”“高校生の論文作成への支援の影響”そして“中学地理の調べ学習における図書館利用指導”と実に興味深く、また啓発される内容でした。(※注 これらの内容記述は横山によるもので、発表者のタイトル通りではありません。詳細は『2011年度日本図書館情報学会春季研究集会要綱』(日本図書館情報学会)をご覧ください)無知をさらけ出して恐縮ですが“半構造化インタビュー””クロス集計”などの初めて聞く用語が大変新鮮で、なるほどこういう過程を経て研究というのは行われるのだな、と実感できました。
そして、何がもっとも感慨深かったかというと…
普段から皮膚感覚的に漠然とわかっていたこと、例えば
“低学年の調べ物は4類ばかりだが、高学年になるにしたがって2・3・6類が増えてくるかわりに4類は減る”とか“読書感想文指導は読書指導の主流ではない”などの事象が、学問的な調査・研究で取り上げられ検証されデータとして裏付けられていく、ということです。ある意味私たちにとって周知の事実が学問的に俎上に上げられ解説されることが、こんなにわくわくすることだったなんて知りませんでした。他にも事例として袖ヶ浦市がとにかくすごい、ということはよく知っていましたが、1990年代からのハード整備期と2000年代からのソフト整備期という経緯を聞き、なるほどと腑に落ちました。
学校図書館現場に身を置くものとして私は、
・学校図書館に何が一番求められているか
・どういう利用指導や資料提供をどのタイミングで行うことがもっとも効果的であるか
・どこまでを学校司書が担ってどこからを先生にお任せすべきか
などの問題に常に頭を悩ませています。またそれ以前に、いかに先生方の目を学校図書館に向けさせるかに汲々とするところもあるわけです。
そのような現場の人間にとって、このような研究発表に触れることのメリットは、
・普段の業務を別の視点から眺め、見直すことができる。
・その成果を自分の活動の裏づけとすることができる。
・より自信を持って学校図書館活動を行うことができる。
つまり一言で言って“さらに強気で攻められる”、ということです。私は各発表を聞いていて、アカデミックな世界からのエールのように受け取りました。もちろんエールばかりでなく猛省を促されることもありましたが。
このように、学会というとなるほど敷居が高いようですが、参加すれば今後の仕事にぜったいにプラスになることは間違いありません。また、逆に私たちの皮膚感覚が学問の世界に役に立つこともあるのではないか、とも思います。
さて、間髪入れず次の投稿(JLA学習会)を行う所存です。